夏コミドラマCD4人目に選ばれたのはヒロだった。
これでここまでに明らかになっている夏コミドラマCDの出演者は
ヨウスケ、ヒロ、フェルナンデス、エピフォンの4人。
残る出演枠は2つ!IS内で争うことに意味がないことを教えられた
残りメンバーだったが彼らはこのまま自分を抑えることが出来るのであろうか。
ユゥジ 「4人目はヒロか……」
タクト 「これで残りは僕、ユゥジ、そしてカズキか」
ヒジリ 「うぉい!勝手に人を落とすなよ!エピフォンが先に選ばれただけだろ!?
この後オレも選ばれるかもしれねーじゃねーかよ!」
タクト 「ふん。その可能性は低いな。考えてもみろ、ヨウスケとフェルは
コンビで同時に選ばれたんだ。そして先ほどのアキラの発言
今回はメインとサブは必ずしもペアではない……と」
ヒジリ 「っざけんな!オレはまだあきらめねーからな!」
カズキ 「ストッピングだよタクトにヒジリ。さっきヒロに言われただろ
ミーたちの喧嘩で悲しむのはティーチャーだよ」
タクト 「!」
ヒジリ 「!」
ユゥジ 「そうだぞ。それに俺たちが争っても意味がないこともわかったしな」
ヒジリ 「それはわかるけどよ、でもオレはこのまま何もしないのはヤなんだよ!」
タクト 「僕も座して死を待つつもりはない」
カズキ 「その気持ちはよくわかるよ。要はファイティングしなければいいのさー」
タクト 「平和的解決か……そうだ、ヒジリはすでに知っていることだが
実は僕にはものまねという特技があるんだ」
ヒジリ 「ものまね?あー、もしかして限定版のドラマCDでやってたヤツ?」
ユゥジ 「俺がちんすこうまみれになってた時にそんなことやってたのか」
タクト 「僕はIS全員のものまねが出来る。よって僕が出演すれば他のメンバーは
ドラマCDに出演せずとも出ていることになるのだ。これなら文句あるまい。
しかし問題がひとつあるのだが僕はカズキのものまねだけは出来ない。
したがって残り2枠は僕とカズキにしてもらおう」
カズキ 「それはグッドなアイディアだね!」
ユゥジ 「全然グッドじゃねぇよ!もう全く意味がわかんねぇ!」
ヒジリ 「もーコイツめんどくせー!マジめんどくせー!!」
タクト 「なんだと!人がせっかく平和的解決案を出したというのに!
ならば他の案をだしてみろ!」
ヒジリ 「くそー、なんかいい話ねーのかよー」
甘粕 「いい話ならある」
カズキ 「ソーイチロー、相変わらず足音がナッシングだね!」
タクト 「本当にいい話なのか?」
甘粕 「ああ、とてもいい話だ」
ユゥジ 「おお、さすがソーイチロウ。限定版の小冊子作成の時も最後に助けてくれたしな」
ヒジリ 「アキラとのトウキョウデートはなかったけどな」
甘粕 「くっ…… それよりさっそく話そう」
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あれは麻黄教官が赴任してすぐの頃……
ISの指導方針など引継ぎ業務だけでも大変な状況の中
紅の世界からの侵攻が再開された。
これにより対ナイトフライオノート戦略の考案、戦闘後の報告書作成など
麻黄教官の業務は早朝から深夜まで土日もなく多忙を極めることとなった。
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ユゥジ 「そんなに大変だったのか……」
ヒジリ 「相変わらず無茶しやがって!」
タクト 「……」
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僕は出来る限り教官をサポートしようと教官自ら書かなくてもいいような
レポートや報告書作成は全部僕に回してもらうよう言った。その中にLAGの
海外研究施設むけのレポートがあったのだが、それに関してはどうしても自分で
やりたいと教官がおっしゃるのだ。僕は不思議に思いその理由を聞いた。
すると教官は机から一枚の写真を取り出しこう話し出したんだ……
「わたしの両親は2人ともLAGの海外研究施設で働いているの。私が子供の時に
赴任してしまったからもう何年も会っていないけど……でも、こうしてわたしがレポートを
書いていたらなにかの拍子にわたしの名前が目に入るかもしれないでしょ?
だからこれはわたしが琉球LAGで頑張ってるよっていうサインも兼ねてるの」
……と。
教官が取り出した写真は家族の写真だった。もう何年も前に撮ったのか
見すぎて擦り切れたのか、写真はずいぶん古びていた……
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タクト 「……」
ユゥジ 「……」
カズキ 「……」
ヒジリ 「……」
ヒロ 「アキラさん頑張ってるんだね……って、甘粕くんそれ普通に“いい話”じゃない!」
甘粕 「ああ。なにか“いい話”はないかとのことだったので
僕のとっておきのいい話をした」
ヒロ 「えぇ!それってちょっと違う……」
タクト 「……ソーイチロウ、いい話だった……よく話してくれたな。
彼女が家族を欲していることはよくわかった!」
ヒジリ 「くっそぉ!色々いいたいことあるけど、とりあえずオレと幸せ家庭作るぞアキラ!」
カズキ 「ティーチャー!ミーの生涯オーディエンスになってプリーズ!」
ユゥジ 「おいアキラ!荷物まとめろ!ハコダテに帰るぞ!」
ヒロ 「えぇ!ちょっとみんな!アキラさんここにいないよ!?」
ヨウスケ 「再来月の誕生日で俺は18だ。そしたらすぐに……結婚だ!」
ヒロ 「ちょ、ヨウスケまで何言ってんのさ!?」
甘粕のアキラいい話で火がついてしまったISの面々。
ドラマCD出演者決めの話は大きく脱線。本来のドラマCD出演という目的を忘れ
(自分が)アキラを幸せにしたい彼らはやっぱり争いなく大人しくしていられないのであった。