甘粕の“いい話”違いにより本来の目的から大きく脱線するIS。
話はもはや誰がドラマCDに出演するかではなく誰がアキラを
幸せにするかになっていた……
そこへ渦中の人物アキラが新情報を携えやってくる。
ヒロ 「もう!ヒジリくんはこの事態をうまくまとめる方法として「なにかいい話はないか」って
言ったのに甘粕くんが“アキラさんのいい話”しちゃったからみんな歯止めが
きかなくなっちゃったよ」
甘粕 「僕は教官が健気に頑張っておられる姿を伝えたまでだ」
ヒロ 「お陰でみんな家族愛に恵まれてなさそうなアキラさんの
新しい家族になる気満々だよ」
甘粕 「なにぃ!なぜあいつらはそういう発想になるんだ!」
ヒロ 「甘粕くんって自滅が多いよね……」
アキラ 「みんなー……ってちょっとなんでこんなに険悪ムードになってるの!?」
ヒロ 「みんな誰がアキラさんを幸せにするかで揉めてるんだよ」
アキラ 「えぇ!?」
ヒロ 「本当はボクだってあの中に入ってみんなとちゃんと競いたいんだよ。
でも、ボクまでそれをやっちゃうとツッコミ不在のオールボケになっちゃうでしょ?
それだと話が進まなくなっちゃうんだよ」
アキラ 「そうね、ボケだけでは話は進まないものね。ありがとうヒロくん。」
ヒロ 「ううん、いいんだ。
でもボクだってアキラさんを幸せにしたいっていう気持ちは負けないんだよ」
アキラ 「ヒロくん……」
ヒジリ 「だぁぁ!!だからそっちで2人の世界作るのマジやめろって!!」
ユゥジ 「ヒロお前!どさくさにまぎれて何いいとこもってってんだ!」
ヒロ 「そ、そんなつもりはないよ!今ちょうどアキラさんがきたところだよ!」
アキラ 「そうだったわ!みんな、5人目の情報がきたの!」
タクト 「誰だ!?」
ユゥジ 「俺か!?」
カズキ 「ミーオブミー!」
ヒジリ 「頼むぜ……!」
アキラ 「それが、セリフは書いてあるのに肝心の名前が書いてないの」
カズキ 「ホワッツ?」
ユゥジ 「なんだそりゃ」
ヨウスケ「セリフはなんと書いてあるんだ?」
アキラ 「うーんと、どういうシチュエーションかは全然わからないんだけど
『それ、ぽちっとな』って……」
ヒジリ 「はぁ?」
ヨウスケ「ぽちっとな?」
ユゥジ 「そんなセリフ誰がどんなシチュエーションで言うんだよ」
ヒロ 「今残ってるのがタクト、ユゥジ、カズキ、ヒジリくんでしょ。まずタクトは言わなそうだよね」
タクト 「そんなことはない!僕自身よく言う台詞だ!ああ、よく使っているとも!
大体日に4、5回は言っているな!」
ヒロ 「ぽちっとなってそんなに言うの!?それは是非見たいけど……」
ヨウスケ「確かにタクトは言わないな。ユゥジ、カズキ、ヒジリ
『それ、ぽちっとな』って言ってみろ」
ユゥジ 「それ、ぽちっとな」
カズキ 「そーれ、ぽちっとNa!」
ヒジリ 「それ、ぽちっとな」
ヨウスケ「カズキ、アウトだ」
カズキ 「ノーーー!!」
ヒロ 「ということは5人目はユゥジかヒジリくんのどちらかだね」
ユゥジ 「……!」
ヒジリ 「……!」
中途半端に送られてきた情報である5人目出演者のセリフ。
それは「それ、ぽちっとな」だった。
誰が一体どんなシチュエーションでそんなセリフを言うのか誰も見当がつかないが
そのセリフを言う者が5人目の出演者であることだけは確かだった。
果たしてそれはユゥジなのか、それともヒジリなのか……