
体力勝負のゲーム開発にとって食事は非常に重要だ。
だが、ただ食べればいいという訳ではない。
楽しく食事をすることこそが心の栄養にもなるからである。
ジャッジメント7には様々な食事プランが用意されており、もちろん食費は全て無料となっている。

開発作業中、ADの華麗なマウスさばきによって疲れた右腕を適度にマッサージする専用のスタッフが常駐している。
これにより、全く疲労を感じずにマウスをクリックし続ける事が可能なのだ。
できる男ともなれば、時々、変なところをクリックしてしまうのもまたご愛嬌である。

今やゲーム開発もワールドワイドなビジネス。
世界各国の大手企業との円滑なコミュニケーションの為に、ジャッジメント7では外国人スタッフが常駐している。
『歩く電子演算機』と呼ばれる世界的頭脳のスタッフが、あらゆる言語を完璧な日本語に翻訳してくれる為、ADは海外のビジネスパートナーとの強気の交渉に集中するだけでいい。

開発中であろうとゆっくりとティータイムを楽しむ余裕も忘れてはならない。
ティータイムではジャッジメント7の有能なパティシエが、体調に合わせて様々なブレンドのかき氷を用意してくれる。
もちろん「あーん」と食べさせてくれるオプション付きだ。
適度な糖分補給は午後の作業効率アップの為には必要不可欠なのである。

意外と知られていない事だが、キーボードのショートカットキーを扱う左腕にも疲労は蓄積していく。
だが、左側に常駐しているスタッフが優しく左腕をガードし、決して無理をさせることは無い。
「おいおい、今はCtrlキーを押させてくれよ」「それでは私が代わりに押させていただきます」と言うやり取りもしばしば。
また、このスタッフの癒し系ボイスによる優しい励ましの言葉は、作業で疲れたADの心を癒してくれるヒーリング効果も備えている。

長時間のデスクワークを快適に行う為、クッション効果バツグンのスタッフが椅子の背もたれの代わりとなってくれる。
これぞまさしく人間椅子。そのあまりの座り心地の良さはまさに昇天するようだという。
もちろんこれは優秀なADだけに与えられた特等席である。

優秀なADとはいえ男である。
人には言えない大人なアイテムのショッピングに行く際には、フルフェイス型のマスクで素顔を隠して出かけるのが彼の流儀だ。
もちろんそんな時でも、ジャッジメント7のスタッフがしっかりと彼の身辺警護と買い物のサポートを行うのは言うまでもないだろう。

夕食は豪華なバーベキューによって、ゲーム開発で消費したエネルギーを補充する。
日本に1人しかいない『バーベキューコンロの魔術師』の称号を持つスタッフが焼いた肉は、まさに絶品。
もちろんADが食する肉はA5ランクの国産牛のみなのは言うまでもない。

ゲームクリエーターの仕事は体力勝負。
食後の運動を兼ねてのボウリングは、身も心もリフレッシュしてくれるだけでなく、基礎体力のアップにもつながる。
ちなみに彼のアベレージは120前後。わざと平均的なスコアで仲間たちのプレイを盛り上げる気づかいも忘れないのは流石としか言いようがない。

ジャッジメント7の基地には、作業と運動で疲れた身体を癒す為の大浴場も完備してある。
ゆっくりと湯船に浸かり、明日への英気を養うこともADの重要な仕事なのである。
もちろん入浴中といえどもゲーム開発のことは片時も忘れない。
作品のクオリティを上げるための議論に熱が入りすぎて、時々のぼせてしまうことがあるのはご愛嬌である。

我らがADは仲間にも秘密で自己鍛錬を行っているという。
巨大な剣を振り、気合の叫びをあげるその姿は見る者を戦慄させるだろう。
この一見すればゲーム作りと関係ないような自己鍛錬こそが、彼の強靭な肉体と精神力、そして集中力に一役買っているのは疑いようのない事実であろう。
しかし、何故、風呂に入った後に汗を流すのかは謎としか言いようがないが、おそらく常人にはうかがい知れない深い意味があるのだろう。

開発が佳境になると予期せず倒れてしまうスタッフが現れる場合もある。
そんな時、さりげない気づかいでスタッフを家まで送り届ける彼の姿は、まさにリーダーの鑑ともいうべきものだろう。
そして、どんな過酷な状況でも、我らがADが倒れることは無い。
まさに、鋼の肉体と精神力を持つ、男の中の男なのだ。
それゆえ、時々「送り狼」としての「獣(ビースト)」が目覚めることもあるが、それもまた若さゆえの特権と言えるだろう。