男達の野望わ終っている。
ユーリー博士とのビデオチャットに乱入してきた謎の女性。会話の内容から察するに、博士の助手兼メイドといったところだろうか。流石は一流の科学者だけあって、その生活スタイルもラグジュアリーだ。
ちょっと、まったーーーっ! ついに正体を現したわね、この変態テロリスト集団!
ヌオォォォォォオ! み、みやび氏ではないか!? お主、そこに隠れておったのか!?
おや、みやびくんじゃないか。お久しぶりさん。なんだい、キミも俺達ジャッジメンに仲間入りしたいってことかぁい?
誰が君たちみたいな変態集団に仲間入りするかっての!
おいおい。俺達の話を陰で聞きながら興奮してた口じゃないのかい? だったらキミもこっち側の人間ってことだろ?
うるさい! 黙れ! だれが興奮するか! だいたい、さっきから黙って聞いていれば、君たちのやってたことって何なのよ! 無茶苦茶で滅茶苦茶じゃない! そんなんでよく無事に大学を卒業できたわね! ホント、こんな危険人物を社会に解き放つなんて日本の大学は何やってるのよ!
はっはっは。まったく困ったもんだ。
コラ、君が笑うな!
ミヤビ。そう騒がないでくれんかね? この狭い密室で暴れられては暑くてたまらんよ。
なんと! ユーリーはみやび氏と密室の中で二人きりというシチュエェェェションであるのか!? 専属メイドにつきっきりでお世話してもらうとは出世したではないか!
うるさい、イルカ! 口を開くな!
プギョヘェェェェェ! なんというストレートな全否定! みやび氏の言葉は我輩のハートに13万ポイントのダメージを与えたなりよ……
それよりも君たちの大いなる野望とか、日本経済の破壊っていったい何のことよ? どうせなんか良からぬことを考えてるんでしょ? だったら正直に話した方が身のためよ?
おいおい、人聞きの悪いことを言わないでくれよ。この俺が良からぬことを考えるなんて本気で言ってるのかい?
良からぬことを考えてなかったことなんてないでしょう!? いったいこの会合の目的は何? さあ、白状しなさい!
白状も何も、これはただの総会だよ。なぁ、ユーリー。
ウム、そうであるな。
は? 総会? なにそれ?
つまりこれは、ジャッジメント7の株主総会である!!
はい? かぶぬしそうかい? なにそれ?
つまり、ここにいるのはジャッジメント7の株主ってことさ。だってほら、ウチも株式会社だからさ。
株主? イルカやユーリーが? ジャッジメント7の?
うむ。オワリとイルカが大学卒業後にジャッジメント7を設立するというので、ワタシも出資しているからね。
無論、我輩もである!
おお、そうだ! なんなら、みやびくんもうちの株主にならないかい? いまなら1株500円のままだよ。
安っ! っていうか安っ!
ちなみにワタシは10株も所有しているジャッジメント7の大株主なのだよ。
10株って……たった5千円の出資じゃない! ショボすぎるでしょうが!
我輩はもろもろの事情で2株の所有……それでも第三位の株主ではあるがな。
イルカ……あなたってば、たった1000円の出資で副代表面してたっていうの!?
クックック……たかが2株と侮るなかれ。我々の野望が見事成就し、ジャッジメント7が一部上場した暁には日本の経済に大きな爪痕を残し、我輩も一夜にして億万長者……
いや、ならないっしょ! っていうか、君たちの会社なんていつ潰れてもおかしくないじゃない!
おいおい。そいつはひどい言われようだねぇ。
っていうか、まさかとは思うけど……君たちの大いなる野望って、まさかジャッジメント7の株式一部上場じゃないでしょうね?
無論、そうに決まっているだろう。会社を設立する以上、それ以外になにか目標があるのかい?
そしてジャッジメンの設立された真の理由! それは日本経済の破壊と復興! 我々のクリエェェェイティヴな活動によりこの国の経済を一から作り直すことに他ならないのである! いずれ日径平均株価が大きく変動するであろう!! それこそがジャッジメントセンチュリーの幕開けとなるのである!!!
……ということだよ。
はあ……なんか、君たちってやっぱ平和でいいわね。
何故、そこで哀れんだような目で我々を見るのだ!?
哀れんでいるからじゃない?
ふふふ。そんな風に悠長に構えていられるかな? 俺達の野望が成就した時、君は俺達の前にひれ伏すことになるだろう。
は? なんで? だいたい、尾張君たちってお金儲けにそんなに興味なんてないでしょ? っていうかゲーム屋さんなんだから、面白いゲーム作ることが目的なんじゃないの? 一部上場とか、普通の人の目標みたいでちょっとガッカリなんだけど……
クックック。まだまだ甘いな、みやび氏よ。我々の目的は金儲けに非ず……そんなものは真の目的の為の通過点に過ぎないことに気づかないとは愚かなりよ。
なによ? イルカのくせに偉そうね。っていうか、お金を集めて何をする気なのよ?
無論、最終目標は『人類爆乳化計画』の成就に決まっておるではないか! 全人類を爆乳にするには、それこそ天文学的な資金が必要となるからな! その為に我々は戦い続けるのである!
君はまぁ、俺達の身内みたいなものだからねぇ。特別スペシャルな爆乳に進化させてやろうじゃないか!
……ということだよ。
…………
あれ、みやび君? どうしたんだい?
じゃ、またね。
おおい! いきなり通信を切るんじゃないよ! まだ株主総会は終わってないんだからさぁ!
切られてしまったようであるな。これでは、人類爆乳化計画のディティールを話し合えないではないか!
なんてことだ! この会合の為にせっかく爆乳画像のプレゼンテーション資料を用意していたっていうのに……仕方ない、ユーリーの代理人として零時くんを招集して、株主総会を続けるとしようじゃないか!
そして、男達の伝説わ終らない。

如何だったろうか?
ジャッジメント7の前身となったジャッジメンの結成とその活動の一部を垣間見ることで、様々な真実が浮き彫りになったのではないだろうか?

中でも気になるのは『人類爆乳化計画』という言葉だ。
そのなんとも蠱惑的で耽美な響きが持つ圧倒的な力こそ、彼らジャッジメンの輝ける栄光を照らし出す光源となっているといっても過言ではないだろう。
そして、彼らの最終目標である『人類爆乳化計画』が成就した時、そこにどんな未来が待っているのか期待せずにはいられない。

これからもジャッジメンとジャッジメント7の活動、そして日径平均株価から目が離せないことになりそうだ。

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